メルトダウンする文学への九通の手紙

 渡部直己 = 著



・芳川泰久氏書評:『すばる』2006年1月号掲載「頽廃する文学への蘇生の一撃」
・斉藤美奈子氏書評:『新潮』2006年新年号「本」掲載
・松本圭二氏書評:『季刊d/SIGN』no.13「いやな感じ」(2006年10月)

 日本の文学状況の衰退、それは「批判されることへの極度の忌避・反撥と、批判力そのものの一般的かつ圧倒的な減衰」であり、この二者の「何かしら嘘のような結託ぶり」を「メルトダウン」の悪しき徴候と指摘する。批評家の真摯な警鐘が今ここに鳴らされる。

 本書の過半は、日頃からむしろ畏敬し尊重し期待を寄せる著作家たちにも宛てられてあり、そこでは、それぞれの批評文や小説作品への吟味や批判を通じて、共に保つべき各種この一線とでもいったものの確認、あるいは共闘への勧誘もしくは祈願・哀訴に似た底意が託されている。それを踏み落としたら「文学」に未来はないとさえおもえる一線。せめてそれだけは明確にしておこうではないか…(「後記 あるいは 宛名のない十通目の手紙」より)

著者:渡部直己(わたなべ・なおみ
1952年東京生まれ。76年早稲田大学大学院修士課程修了。現在近畿大学文芸学部教授。主著に『〈電通〉文学にまみれて』(太田出版、1992)、『谷崎潤一郎 擬態の誘惑』(新潮社、1992)、『日本近代文学と〈差別〉』(太田出版、1996)、『現代文学の読み方・書かれ方』(河出書房新社、1998)、『不敬文学論序説』(太田出版、1999)、『かくも繊細なる横暴』(講談社、2003)がある。

◆四六判上製 ◆241頁 
◆本体価格2000円
◆ISBN: 4-86042-030-6

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